事故歴・修理歴・修復歴 なにが違う?

自動車全般

中古車の購入を検討するときに気になるのが、事故歴・修理歴・修復歴です。しかし、愛車を高く売却したいと、事故歴・修理歴・修復歴は隠したくなります。そこで、事故歴・修理歴・修復歴の定義、査定に影響するのか、告知する義務はあるのかなどを解説します。

事故歴

事故歴とは、車両が過去に事故に関わったかどうかの履歴を残したものです。 事故歴がある車に、修復歴車も含まれます。例えば、壁に擦ってバンパーを塗装した・ドアを凹ませて交換したなどパーツの補修や交換だけなら事故歴になりますが、修復歴にはなりません。大きな事故でフレーム(骨格部分)を修正した場合のみ修復歴になります。

通常は、パーツの交換や補修で直る事故なら衝突安全性や走行安定性に影響しないので、買取店に査定を依頼したり、中古車を購入する場合に、事故歴を告知する義務はありません。

ただし、修理で塗装した部分と、他の部分で微妙に色があっていなかったり、塗装の仕方によっては色あせが早くなる傾向があるので、外観を重視する方は注意が必要です。

修理歴(整備歴)

修理歴とは、車両が過去にどのような修理・整備をしたか履歴を残したものです。 通常、自動車には取扱説明書と一緒に点検記録簿(整備手帳・メンテナンスノート)が積まれています。点検記録簿には、12ヶ月点検や24ヶ月点検の内容が記録されています(最近は別の用紙で残されていることが多いです)。

このように、基本は整備の記録を残すことになっていますが、販売されている中古車には、記録が残っていないことがあります。

よくあるのが前所有者の個人情報が記載されているので処分している場合です。これは、整備工場のシステムでプリントアウトした記録簿に多いのですが、顧客情報まで一緒に印刷されていて、個人情報保護の関係で処分することになってしまいます。

また、最近のビッグモーター問題で話題になっていましたが、中古車販売と同時に納車整備と称して、12ヶ月点検を受けてもらうために、記録簿を処分して履歴を判らなくする方法です。

いずれにしても、点検記録簿が無いので問題がある中古車とはいえませんが、点検記録簿が残っていたら安心です。

点検記録簿を残すことについて規制はありませんが(車検を受けるには24ヶ月点検の記録簿が必要)、愛車を少しでも高く売却したいなら、記録簿関係は全て残しておくと、印象が良くなりプラス査定に繋がります。

修復歴

修復歴は、大きな事故でフレーム(骨格部分)を修正した場合の履歴になります。


(1) フレーム(サイドメンバー)
(2) クロスメンバー
(3) インサイドパネル
(4) ピラー
(5) ダッシュパネル
(6) ルーフパネル
(7) フロア
(8) トランクフロア

(1)から(8)の骨格部位に損傷があるもの又は修復されているものは修復歴となります。但し、ネジ止め部位(部分)は骨格にはなりません。
Step08【修復歴の考え方】 (jaai.com)

フレームは、安全性、耐久性に大きく影響します。その部分に損傷があったということは、車の剛性・直進性能・ブレーキ性能などに影響を及ぼす恐れがあるということで、見た目はきれいに修復されていても強度が低下していたり、サスペンションが微妙にずれていてフラフラしたり、ブレーキをかけるとハンドルがとられるなど症状がでたりすることがあります。

このように、修復歴は自動車の商品価値を著しく低下させるので、売り主は隠したくなりますが、売買の際には告知する義務があります。法律では、民法の「第1条第2項(信義則)」に「権利の行使及び義務の履行は、審議に従い誠実に行わなければならない」と定められていて、修復歴があることを知っているにもかかわらず隠していた場合には、「告知義務違反」となります。

告知義務違反に該当すると、傷や車両の不具合に対して、売り主が責任を負うとされる「瑕疵担保責任」が発生する可能性があります。修復歴については、素直に申告を行うというのがトラブルを回避する最善策です。

廃車買取なら事故歴・修理歴・修復歴は関係ありません

廃車する場合は、車の履歴は一切関係ありません。廃車買取専門店(株)旭商会では、修復歴があっても、事故や故障をしていてもサイトの価格表の値段で買い取ります。中古車買取店に修復歴車を売却するよりも、(株)旭商会へ売却することをお勧めします。

(2023年8月23日公開、作成:三浦敏和)

コメント