自動車保険の全損とは?

お金・税金・保険

自分の車が事故などにより受けた損害への備えとなる保険のが「車両保険」です。

車の修理費用に対して支払われる保険金と一般的に考えられていますが、「全損」の場合は修理をしなくとも保険金を受け取ることができます。

車両保険の「全損」という言葉の意味について説明します。

「物理的全損」と「経済的全損」

全損には「物理的全損」と「経済的全損」の2つがあります。

  • 「物理的全損」・・・車体が大きく変形したり、エンジンやトランスミッションなどの重要な部品が破損したなど、修理することが技術的に不可能な場合
  • 「経済的全損」・・・例えば、車の時価が60万円で、修理費用が120万円かかる場合は、修理費用が時価を超えているので、修理する価値が無い場合

全損車両の取扱い

「事故車両を保管してもらっている修理工場に迷惑が掛かっているから、早く処分したい」
「全損車両でも買い取ってくれるなら売ってしまいたい」との要望を受けることがあります。

しかし、全損事故の場合、事故車両を勝手に処分してしまうと、後になって厄介な問題が生じるリスクがあります。

全損事故の場合、交通事故の加害者が、事故車両の時価額全額を賠償すると、事故車両の所有権が、被害者から加害者に移転します。(民法422条)

したがって、全損事故において、加害者の保険会社から、時価額相当額の賠償が支払われると、事故車両の所有権は相手方保険会社に移転することになるため、被害者は勝手に事故車両を処分してはいけないのです。

自損事故の全損で、自分の保険会社から、時価額相当額の賠償が支払われた場合も、所有権は保険会社に移転することになります。

賠償が支払われた全損車両の処分は、保険会社の了承が必要です。

全ての全損車両を、保険会社が引き上げるのか

基本的には、保険会社が引き上げることになります。

保険会社が事故車両を引き取る予定であれば、保険会社から事故車両の保管先に連絡をとってもらい、今後の処分等について保管先と調整します。

事故車両の価値が低く、引き取っても利益が出ない場合だと、保険会社が事故車両を引き取らず、権利を放棄するケースもあります。

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廃車の価値は、鉄・アルミなどの素材の相場や中古部品などの価値で決まります。

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全損事故でも、自分で処分できる場合が多いので、保険会社に相談してみることをお勧めします。

整備工場やレッカー会社に保管してもらっている場合は、保管料が必要になっていることがあるので、その取扱いについても確認しておくことが必要です。

(2023年7月6日公開、作成:三浦敏和)

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