変わる車検制度

自動車全般

2023年1月から「電子車検証」に変更されたことはご存じの方も多いと思います。その後も、2023年から2025年にかけて、たて続けに車検制度の変更が実施されています。以下に、主な変更点とその背景について解説します。

車検ステッカー(検査標章)の貼り付け位置の変更(2023年7月)

  • 変更前: 車両前面ガラスの内側、運転席から見て左上部 (車両中心)
  • 変更後: 車両前面ガラスの内側、運転席から見て右上部

この変更は、運転手の視認性を確保して無車検運行の防止を目的としています。

ヘッドライト検査の変更(2024年8月)

  • 変更前: 原則ロービームでの検査であるが、他車に迷惑にならない場合はハイビームでも可
  • 変更後: ロービームでの検査のみ

この変更は、夜間の視認性向上を目的としています。レンズの曇り等で光量が不足していると不合格になります。

OBD車検の導入(2024年10月)

OBD(On-Board Diagnostics)車検とは、車両に搭載された電子制御装置の故障を診断する新しい車検制度です。従来の車検では確認できなかった、電子制御システムの故障を診断し、安全性を確保することを目的としています。
専用のスキャンツールでエラーコードを読み取り、「特定DTC(故障コード)」が検出されると不合格になります。

車検期間の変更(2025年4月)

  • 変更前: 車検証の有効期間満了日の1ヶ月前から受検可能
  • 変更後:車検証の有効期間満了日の2ヶ月前から受検可能

この変更により、車検を受けるタイミングに余裕が生まれ、ユーザーはスケジュールを立てやすくなります。また、年度末の車検集中を緩和し、整備工場の混雑緩和と整備士の働き方改革にも繋がることが期待されています。
同時に、自賠責保険の加入も有効期間満了日の2ヶ月前から可能になります。

まとめ

日本の車検制度は随時、重要な変更が加えられています。これらの変更は、車の乗換えや廃車のタイミングに影響を与える可能性があります。変更点を理解し、適切なタイミングで車検を受けるようにしましょう。

(2025年2月4日公開、作成:三浦敏和)

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