普段何気なく通っている道が、工事中で少し不便に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
年度末は、道路工事が増える季節です。「道路工事は迷惑だ」と思っているドライバーも多いと思いますが、道路の維持・管理はとても大切なお仕事です。
私達ドライバー目線の疑問と、それに対する工事業者の思いを調べてみました。
なぜ、年度末に工事が増えるの?
公共工事が決まる工程を知るとわかります
公共工事は、年度の予算からスタートします。年度の初めに予算が決定して、工事業者へ入札を促す「広告」、工事業者の入札や書類の審査などを経て実際に工事がスタートします。
そのため、工事の実施は年度の後半になってしまうことが多くなります。
- 立案:工事の必要性を検討する
- 計画:工事の規模や内容を計画する
- 予算化:工事の予算を確保する
- 積算:入札の予定価格を算出する
- 設計:設計図書を確定する
- 公告:発注内容を公表して請負企業を募集する
- 入札〜落札:入札書の提出を受け付け、落札者を決定する
予算の消化
大きな工事は、工事ごとに予算が組まれて計画通りに実行されますが、緊急ではない補修工事などは予備費などを使用します。予備費は災害などで予定外の費用が発生したときに使用する予算なので、年度の終盤に予算が余ることが推測できるまで、補修工事などには使用できないのです。
天候の影響
冬季は天候が悪く、工事が進みにくいことがあります。春先に向けて天候が安定するため、年度末に工事が集中することがあります。
なぜ、夜間に工事をするの?
交通量の少なさ
昼間に比べて夜間は交通量が少ないため、工事による交通渋滞や混乱を最小限に抑えることができます。これにより、ドライバーや歩行者への影響を減らすことができます。
安全性の向上
交通量が少ない夜間に工事を行うことで、工事現場での事故やトラブルのリスクを減らすことができます。工事作業員の安全も確保しやすくなります。
効率的な作業
昼間の混雑を避けることで、工事作業がスムーズに進行しやすくなります。これにより、工事の完了が早まり、道路の利用者にとってもメリットがあります。
道路工事作業員がドライバーの皆さんに知って欲しいこと
安全第一
工事現場では安全が最優先です。作業員は常に安全を確保するために努力しています。ドライバーの皆さんも、工事現場を通過する際には速度を落とし、指示に従ってください。
工事現場での事故を防ぐためには、ドライバーの協力が不可欠です。
注意喚起
工事現場には多くの標識や誘導員が配置されています。これらはドライバーの安全を守るためのものです。標識や誘導員の指示に従うことで、事故を防ぐことができます。
作業の重要性
道路工事は、道路の維持・修繕や新しいインフラの整備のために行われています。これにより、道路の安全性や利便性が向上します。工事中は不便をお掛けしますが、皆さんの移動がより快適になるように一生懸命に作業しています。
時間帯の選定
夜間に工事を行うことが多いのは、交通量が少なく、作業が効率的に進み、工事を短時間で終了させるためのものです。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解をお願いします。
まとめ
道路工事は一見迷惑に感じることもありますが、その背後には多くの人々の努力と工夫があります。工事業者の思いを知ることで、少しでも理解と協力の気持ちを持っていただければ幸いです。
(2025年1月9日公開、作成:三浦敏和)
コメント