ロードキルとは、自動車に轢かれたり、道路わきの溝に落ちたりするなど、道路によって野生動物が命を落としてしまうことです。野生動物との接触事故は、日本のような自然が豊かな国では避けられない問題の一つです。これらの事故は、動物だけでなく人間にとっても大きな危険をもたらします。また、動物と接触が原因で廃車になった自動車も多数入庫します。そこで、野生動物との接触事故を防ぐための方法と事故が起こった時の対処方法をいくつかご紹介します。
野生動物との接触事故が起こりやすい状況
警戒標識の確認
野生動物が出現する可能性のある地域では、道路沿いに「動物が飛び出すおそれあり」という警戒標識が設置されています。これらの標識がある場所では、特に注意深く運転する必要があります。標識が見えたら速度を落とし、周囲をよく観察しながら走行しましょう。
夜間の運転
夜間は特に注意が必要です。夜行性の動物が多いため、夜間に動物が道路に出やすくなります。対向車がいない限り、ハイビームを使用して視界を確保し、動物の姿を早めに発見できるようにしましょう。
運転中の集中力
郊外の交通量の少ない道路は、動物が出没しやすい道路です。運転中は常に集中力を保ち、予期せぬ動物の飛び出しに備えましょう。特に、曲がり角や視界が悪い場所では、速度を落とし、ブレーキをかける準備をしておくことが大切です。
事故発生時の対応
警察へ通報
万が一、野生動物との接触事故が発生した場合は、迅速に警察に通報し、事故の詳細を報告することが重要です。
後続車などへ警戒
二次被害を防ぐために、ハザード点灯・非常信号灯・三角表示板などを使用して、後続車や対向車に事故が発生していることを知らせます。
動物の保護
動物が負傷して道路上で動けない場合は、可能であれば路肩等に移動させます。負傷した動物は突然暴れることがあるので充分注意します。また、野生動物を安易に触ると感染症などの恐れがあるので素手で触るのは避けましょう。
動物が道路上で死亡又は道路上から動かせない場合
道路管理者へ連絡します。(道路緊急ダイヤル「#9910」を利用すると便利です)死亡した動物は、道路管理者や自治体が処理します。
車両が破損した場合
事故で自走できない場合は、JAFや自動車保険のロードサービスを利用して移動させます。
野生動物との接触は、単独の自損事故扱いになるので、「自動車賠償責任保険」は保障対象外です。
任意保険は、契約内容によって異なります。自損事故も保障対象になっている場合は、保険による修理も可能です(翌年以降の保険料が上がってしまうのでよく検討しましょう)。運転者や同乗者が負傷している場合は、人身傷害保険や搭乗者傷害保険の対象になるので保険会社に相談してください。
まとめ
旭商会にも動物との接触で廃車になった自動車が入庫します。野生動物との接触事故を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、これらの予防策を心がけることで、事故のリスクを大幅に減らすことができます。自然と共存するためにも、運転者一人ひとりが注意深く行動することが求められます。安全運転で、人間も動物も守りましょう。
(2024年10月18日公開、作成:三浦敏和)
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