秋も深まり、家庭でもそろそろ冬の準備をする時期になりました。
自動車にとって、暑い夏と同じくらい冬も過酷です。寒い冬を迎える前に愛車も冬支度でリフレッシュしませんか。
スタッドレスタイヤ
冬の準備といえば、誰でも思い浮かぶのがスタッドレスタイヤへの交換。
新品のスタッドレスタイヤへ交換する場合は問題ないのですが、昨年使用したタイヤを保管していた場合は注意が必要です。
スタッドレスタイヤの寿命は、通常3年~5年と言われています。走行距離が少なく山が残っていても、ゴムの硬化が進んで雪上での性能が低下するので、寿命を超えて使用することはお勧めできません。
とくに直射日光や雨が当たる場所に置いておくと劣化してしまいます。 涼しく暗い場所で専用のタイヤカバーを掛けて保管しましょう。
スタッドレスタイヤも夏タイヤと同様にスリップサインがあります。スリップサインが出ているタイヤは、車検に通らないので使用できません。
スタッドレスタイヤには、スリップサインとは別にプラットホームというサインがあります。プラットホームは、残り溝が50%になると現れて、雪道や凍結路面での性能が維持できる限界点になります。
タイヤを交換したら、空気圧の調整は必ず行ってください。規定の空気圧は、通常は運転席のドアを開けたボディー側にシールが貼ってあるので適正な圧力に調整します。「スタッドレスタイヤは低めがいい」という方もいらっしゃいますが、舗装路での安全性の低下や編摩耗の原因になるので規定値に調整します。(雪上でスタックしそうな状況では、空気圧を一時的に低くするのは有効な場合もあります。※注意 氷上では、逆に滑りやすくなります)
バッテリー
冬になると電力の消費量が多くなるので、バッテリー上がりのトラブルが増えます。標準のバッテリー液を補充するタイプは、バッテリー液が減少している場合があるので点検、補充をしておきましょう。点検は、バッテリーの側面にUPPER(上限)とLOWER(下限)の2本の線が引いてあるので、液面がその間にあることを確認します。LOWERより下になっている場合は、市販のバッテリー補充液又は精製水を補充します。
バッテリーの劣化は、なかなか判断が難しいです。特にメンテナンスフリーの高性能バッテリーは、新品同様の性能を長期に渡って維持できる反面、寿命が近づくと性能が急速に低下します。以前にバッテリーついて記事を書いているので、こちらで劣化している可能性が高い場合は、交換をお勧めします。
バッテリー(鉛蓄電池)のしくみ・廃車買取専門店(株)旭商会 | ニュース&コラム|廃車買取専門店(株)旭商会 (asahi-online.net)
※ バッテリーのメンテナンスは、火気厳禁です。誤ってショートさせるとバッテリーが破裂することがあるので充分に注意して下さい。
エンジンオイル
以前は、夏は高温に強い高粘度のオイル、冬は始動性が良い低粘度オイルを使用するのが一般的でしたが、現在はオイルやエンジンの性能が向上したので、特に季節によって使い分ける必要はないようです。
とは言っても、気温が下がるとエンジンの潤滑にとって条件が悪くなるのが現実です。とくに高性能なターボ車や近距離のちょい乗りを繰り返す車は、エンジンオイルの劣化が早くなるので冬を迎える前に交換をお勧めします。また、冬季に高粘度オイルを使用していると燃費が悪化する場合があるので、交換するときは、低粘度タイプ又は適応範囲が広いタイプが適しています。
ワイパーとウォッシャー液
冬になると、夏用ワイパーはゴムが硬化してしまい雪や水滴をきれいに拭くことができなくなります。冬用ワイパー(スノーブレードなど)なら、低温でも硬化しにくいゴムの素材を使用していたり、ブレード部分にカバーが付いていて雪を払い落としやすい構造になっています。ご自分の車が適応する車種であれば交換をお勧めします。
ウォッシャータンクに水道水を入れていると、タンク内やノズルで凍結したり、噴射した水がガラス面で凍結することがあります。故障の原因にもなるので、気温が低い季節は市販のウォッシャー液に入れ替えましょう。最近では、寒冷地用の解氷できるウォッシャー液も販売されているので一度試してみるのも良いかもしれません。
(2023年11月7日公開、作成:三浦敏和)
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