(この記事は、2021年12月13日に作成、サイト整理により2023年8月25日に転載しました。)
近頃、ガソリン価格の高騰が続いています。報道では、石油元売り業者への補助金・政府備蓄石油放出・トリガー条項凍結解除を要請などのニュースが流れていますが、そもそも税金だらけと言われるガソリン・軽油の価格はどのように決まるのか、石油にかかる税金について調べてみました。
ガソリンに課税される税金
ガソリンに課せられる税金は、主に揮発油税・地方揮発油税・石油石炭税・消費税があります。
揮発油税
精製したガソリンを製造所から出荷する時点で国へ納める税金。基本税額は「1キロリットルあたり24300円」(1リットルあたり24.3円)ですが、平成20年5月1日以降は暫定税率として「1キロリットルあたり48600円(沖縄は42277円)」(1リットルあたり48.6円)になっている。
地方揮発油税
揮発油税と同じく、精製したガソリンを製造所から出荷する時点で国へ納める税金。地方自治体に譲与することが決まっている地方譲与税。 基本税額は「1キロリットルあたり4400円」(1リットルあたり4.4円)ですが、平成20年5月1日以降は暫定税率として「1キロリットルあたり5200円」(1リットルあたり5.2円)になっている。
石油石炭税
原油及び石油製品を採取・輸入した者が国へ納める税金。基本税額は「1キロリットルあたり2040円」(1リットルあたり2.04円)ですが、平成24年10月1日以降地球温暖化対策のための課税の特例」として段階的に引き上げながら、平成28年4月1日以降は「1キロリットルあたり2800円」(1リットルあたり2.8円)になっている。
消費税
小売りの段階で消費者が納める税金。税率は販売価格の10% 。上記の税金にも課税されるため二重課税として問題になっている。
(※原重油関税)
原油については平成19年度から無税になっています。
ガソリン1リットルあたりの税金
揮発油税48.6円+地方揮発油税5.2円+石油石炭税2.8円=合計56.6円と消費税(ガソリン小売価格の10%)
軽油に課税される税金
軽油に課せられる税金は、主に軽油引取税・石油石炭税・消費税があります。
軽油引取税
元売り業者から軽油を引き取った者(給油業者など)が国へ納める税金。税額は「1キロリットルあたり32100円」(1リットルあたり32.1円)になっている。
石油石炭税
原油及び石油製品を採取・輸入した者が国へ納める税金。基本税額は「1キロリットルあたり2040円」(1リットルあたり2.04円)ですが、平成24年10月1日以降「地球温暖化対策のための課税の特例」として段階的に引き上げながら、平成28年4月1日以降は「1キロリットルあたり2800円」(1リットルあたり2.8円)になっている。
消費税
小売りの段階で消費者が納める税金。税率は販売価格から軽油引取税を除いた金額の10% 。上記の軽油引取税は課税の対象にならないので石油石炭税1リットルあたり2.8円が二重課税となっている。
(※原重油関税)
原油については平成19年度から無税になっています。
軽油1リットルあたりの税金
軽油引取税32.1円+石油石炭税2.8円=合計34.9円と消費税(小売価格から32.1円引いた金額の10%)
参考資料
我が国の既存エネルギー関連税制について(環境省)
(2023年8月25日公開、作成:三浦敏和)
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